2010年7月23日(金)の日本経済新聞朝刊1面トップに『政府調達 電子入札へ』という、世界貿易機関(WTO)加盟各国が政府調達にインターネットを使った電子入札制度を導入するという記事がでていました。
なぜ政府調達に電子入札を導入するのか?
日米欧など各国政府が金融・財政危機への対応で財政が悪化しているということが背景にあるようです。
WTOが「政府調達をさらに開放し、調達価格の引き下げで財政を健全化すべきだ」と各国政府に要請し、現在の政府調達協定に加盟する41カ国・地域が年内に電子入札制度を導入することが盛り込まれた新協定を作ることで一致したとのことです。
電子入札の導入は、外国企業の入札への参加を容易にすることで競争を促し、各国政府などが物品やサービスをより安く購入できるようにすることが狙いです。
上記内容を見ると、電子入札の導入はとても良いことのように思えますが、果たして本当にそうなのでしょうか?
私が考える電子入札を導入することによってのメリット、デメリットを以下にあげたいと思います。
・国にとっては競争原理が働いて、より安く物品やサービスが購入でき、歳出を抑えることができる。
・企業にとっては他国の入札案件への参加が容易になりビジネスチャンスが広がる。
・落札基準を価格のみにした場合、質の問題が発生する可能性がある。
・外国企業の落札が大幅増加した場合、自国企業への発注(仕事)が減り、雇用問題等に発展する可能性がある。
今後の課題
政府調達に電子入札を導入すること、つまり政府調達の国際競争が激化することへのメリット・デメリットは上記にあげましたが、私は基本的には良いことだと思います。
ただし、課題はあります。一番は、「安かろう悪かろう」ではいけないということです。今回、新協定を作るに至った経緯から考えても落札基準はもちろん価格が最優先です。しかし、政府調達案件は非常に公共性の高いものです。ゆえに、価格だけでなく技術や安全性といった質の部分に関しても一定の基準を設けて、できれば総合評価方式のようにしていくことが今後の課題だと私は思います。
民間でもヒット商品、支持されるサービスというものは安いということだけでなく、信頼や安心といった質によるところが大きいです。ましてや、自分の生活に長く関わることに海外の商品やサービスを導入しようと思ったら、消費者は値段だけではない質の部分も必ず重視するのではないでしょうか。